2014/12/15

社会的企業のための新たな企業形態「ベネフィット・コーポレーション」

営利企業でありながら社会的な便益も追及する、いわゆる社会的企業が世界的に増えています。アメリカではこうした情勢を反映し、いち早く法整備が行われています。

株式会社や有限責任会社(LLC)などに代わる新たな企業形態として、「ベネフィット・コーポレーション」という法人格を認める法案が次々可決され、多くの企業が組織変更を行っています。

アメリカでは州ごとに企業形態が定められていますが、現在ベネフィット・コーポレーションの設立・組織変更を認めている州は27に上り、さらに14州が法案可決に向けて動いています。

2014/09/05

言葉に惑わされない

海外在住者として私が感じる日米間の違いの中に、言葉の捉え方があります。

たとえば、一時期日本で「CSRからCSVへ」といった論調の記事をよく見かけました。

ご存知の通り、CSRは企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)であり、CSVはマイケル・ポーター教授が提唱した、共通価値の創造(Creating Shared Value)のことです。

詳細は教授の論文やメディアの記事を見て頂ければと思いますが、ざっくりと言えば、ポーター教授の主張は、社会活動を責任と捉えるのではなく、機会として事業に取り入れ、社会問題を解決しながら企業利益を生む、つまり、企業価値と社会価値を共存させる、ということです。

素晴らしい概念ではありますが、アメリカでは、似たような意味を持つ言葉として「トリプル・ボトムライン(社会(People)・環境(Planet)・財務(Profit)のすべてで利益を生む)」や「自然資本主義(自然資本と人的資本を資本主義に取り入れる)」などがありますし、CSRは事業と無関係の慈善活動のみとは捉えられていないため、CSVという用語が特別注目されることはありませんでした。

2014/07/03

ドラッグクイーンから学ぶ「憎しみを捨てる」

先週末、全米各地でLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)差別反対イベントが開催されました。

そのひとつ、シアトルのイベントで、突如アンチゲイのプラカードを持って現れた(キリスト教系)団体に対し、ドラッグクイーンが説教した動画が話題になっています(Huffington Post)。


「あなたちの本(=聖書)を読んで、そこに書かれている神の言葉に本当の意味で従い、援助と愛について学んだらどう?」

「憎しみを捨てなさい。悲しい人間ね。憎しみを捨てれば幸せが見つかるわよ。心を開くことを学べば、私たちはあなたたちを喜んで受け入れるわ。」

2014/03/06

NYタイムズがラーメンの食べ方講座を掲載

ラーメン流行りのニューヨーク。
ニューヨークタイムズが、ラーメンの食べ方(NG集付)を画像付で紹介していました。
サステイナブルとは全く関係ありませんが、おもしろかったので、ご紹介します。

<アイバンラーメン(東京にも店舗あり)のアイバンさんが伝授:ラーメンの食べ方>

1.出されたらすぐ食べる。冷めるまで待ってはダメ。
2.まずは箸で麺を少し取ってレンゲにのせる。
3.食べる際には必ず音を立てて麺をすすりましょう。麺と一緒に空気を吸い込むと麺が冷めます。
4.スープを一口飲み、塩やしょうゆ、魚、豚肉、鶏肉の風味を味わいます。

2014/02/13

カナダの研究者チーム、マンモグラフィーの効果に疑問符

カナダの研究者チームが、25年間にわたり4059歳の約9万人の女性を対象に調査を行った結果、マンモグラフィーを受けた人と受けなかった人の乳がんによる死亡率は変わらなかったと発表しました。
さらに、マンモグラフィーを受けた人のうち424人にひとりが過剰診断、つまり、不必要な手術や治療が行われていたことも発表されました(The British Medical Journal)

日本ではこのニュースはあまり報じられていないようですが、アメリカでは主要メディアのほとんどが取り上げており、話題になっています(NYタイムズCNNNBC)

というのも、アメリカでは、マンモグラフィーへの過度な依存を疑問視する声が以前から囁かれていたからです。

2014/01/17

企業の透明性

よく行くメキシカン・スローファストフードのチポレ
オフィスの近くに店ができたので行ってみると、店内にこんな貼紙がありました。


「お知らせ:供給不足のため、現在この店では”Conventional(従来の方法)”で飼育された牛のステーキ肉を提供しています。できる限り早く、”Unconventional(従来通りではない方法)”で飼育した牛の肉に戻す予定です。」

”Conventional”は、直訳すると”通常の”や”従来型の”という意味ですが、一般的に”オーガニック”の反意語として使われる用語で、農薬や殺虫剤を使って栽培した野菜などに使われます。

このお知らせでは肉のことを指しているので、